英国は豊かな思い出にあふれている

英国は豊かな思い出にあふれている

ロンドンでも、郊外でも英国の街は懐かしい空気感で覆われています。なぜでしょう。それは、建築に対して、いくつかの決まりがあるからです。
家並み保持は「都市計画許可(プランニング・パーミッション)」でしっかり守られています。
つまり、歴史と美観にのっとり、街のハーモニーを守ろうとするルールです。個人所有の物件でも、建築の外見は「パブリック」だという意識が強いのです。特に「保存地区」に指定されたら、現在の物件を大切に使わなければなりません。

古いものを大切に残すという精神はイギリスに根付いている特徴です。面白いところでは、今でも英国では、マニュアル車が少なくありません。質実剛健の意識でしょうか。

ところで、こうした英国人意識の中でも特徴的な生活観は「アンティーク」好きだということでしょう。
「アンティーク」と言えば趣味の世界、飾り物という考えがありますが、英国では違います。コレクトするだけでなく、日常の中で使うということです。食器や銀器、家具など、現代の生活の中に溶け込んでします。

そして、こうしたアンティーク商品を探しに行くことが、英国人の趣味と生活の一部になっています。

ロンドンでも多数のアンティーク・マーケットが開かれています。
有名な場所はノッティングヒル・ゲート駅近くのポートベローです。映画「ノッティングヒルの恋人」で有名なお洒落な街に位置しています。

およそ1000店の店や露店がひしめいており、時間を忘れてしまいます。
いまSDGsが世界的な課題になっていますが、改めて「物を大事にする」。いつまでも「大切にモノと付き合う」。もう一度、見直してみたいことが、英国には溢れていました。


↑ポートベロー・アンティーク市場

ところで、アンティーク・マーケットをフリーマーケットと呼ぶことがありますが、「FREE・MARKET」ではありません。
「FLEA・MARKET」が正しいのです。
FLEA(フリー)とは蚤のこと。つまり「蚤の市」です。
トリビアな話でした。