トラディショナル(伝統)と創造価値
明ける年の準備に紅葉する、外苑前の銀杏並木。忘れず循環を守っています
かつてオーストリアの心理学者、ヴィクトール・フランクは人間の「創造価値」と「体験価値」「態度価値」を明示しました。
「創造価値」は人間が行動したり、何かを創ったりすることで実現される価値。
「体験価値」は人が何かを体験することで実現できる価値。
そして「態度価値」は、おかれた状況にどんな態度をとるかで生み出される価値です。
今年も、師走を迎えました。時間は止まらない。私たちのトラディショナルも時代の風を受けて前進しています。大海原の中でジグザクに、しかし確かな方向に向かっています。

写真は九段会館。落ち着いてコーヒーを飲むとき使います。伝統を磨きながら価値あるものを残す。歴史と時代が永遠に紡がれています。
私は、ゆっくりしたいときや、何かを考えたいとき、千代田区の九段会館でお茶を飲み、
足を延ばして神田神保町の古本屋街を散策します。残された佇まいや風情をまとうと、
なんだかとても人間的な価値観を感じます。

写真は 九段会館のモザイクタイルの廊下。 伝統を守る。さらに美しく。
トラディショナルの「いい仕事」を感じます。
トラディショナル(伝統)の中に創造価値を感じることがあります。守りながら進む。
トラディショナルこそ「熟成された革新」だと時に思うのです。

写真は高級理容室のサイン。もともと「床屋外科」のサイン。赤白は外科。赤白青は床屋外科だったとか。理容室は現在、高級と簡潔の2極に進化しています。
過度に進歩的過ぎた後、再びベーシックの波が訪れます。この行き来の後にトラディショナル・ムーブメントが起こります。
新幹線がリニアになって、飛行機がロケットになっても、人間的なスピード感と心地よい進化は残るでしょう。

写真は古書街で見かけた「お休みどころ」。面白い。エコロジーを唱えていました。
現在の日本企業のAI導入率は、中国90%強、米国90%を占めるに対して、42%といわれています。遅すぎる感は否めません。しかしこれから日本もAI化は加速するでしょう。
しかし、良し悪しは別にして、人間的な速度感、皮膚感覚は求められ続けるでしょう。
例えば、日本の「中古品市場」は世界中から注目されています。丁寧に扱う。嘘をつかない。世界が「日本人が関わるものづくり」や「正直な管理」を注目しています。
スピードとスローメカニズムの共生もあります。
いわば、対極が共存する時代に突入しています。
これを私たちは無視できません。

写真は明治8年創業の神保町の古書店。今でもしっかり息づいています。
「ゾウの時間、ネズミの時間」の概念があります。
ゾウの心拍数は1分間に約30回。寿命はおよそ60年から70年です。
一方ネズミの心拍数は1分間に300回以上。寿命は1~2年です。
(本の題材ですが、生命の大事な特徴を示しています。生き方のヒントになります。)
先端的で変化の激しいトレンド・ファッション。
または時代を表すポップなファッション。
ある世代が楽しむ、一過性のファッドなファッション。
私たちはその両方の楽しさも知っています。

写真 古都鎌倉と藤沢を結ぶ江ノ電。なんと71年ぶりにダイヤが改正されました。
12分おきが14分おきに変わったのです。たった2分。でも遅くなりました。
単線で途中の駅で交差します。なんでも早くなる時代にあえて遅くなりました。
しかし物を主体にして見るとき「物が私たちに何を期待しているか」を知ることができます
いま改めて直感力をもってトラディショナルに着眼し、マインドリセットする時代を迎えていると思っています。

写真は POLO BCS の傑作。スーパーストレッチ・ロングスリーブシャツです。
基本を崩さす改善を重ねる。何万人の喜びにも応える。トラディショナルは進化の結果でもあると思っています。
人々の生活の中で、簡単にはすたれない。思い出に残る人情味あふれる伝統。
あるいは青春が凝縮された残像。しかも、時代のフィルターを通せば改めて新鮮。
使用者の価値観を損なわない物のマインド。使い慣れた道具が分身になるように
POLO BCS のモノ、コトは、これからもユーザーの期待を超えた存在であり続けたいと思っています。
POLO BCS のトラディショナルはファンのライフスタイルと共に成長していきます。