POLO競技のポロ・ポニーの話を記します
多くの方が馬を見るとその優しい目に魅かれます。子供遊園地などでミニチュア・ポニーに出会うこともあります。子供たちの乗馬の初体験ですね。
では、皆さんポロ競技のポロ・ポニーを知っていますか。残念ながら日本ではほとんど出会えません。ポニーと言っても仔馬ではありません。
(ポロ競技場はサッカー・コート9面の広さです)
ポロ競技は「270メートル×150メートル」の長方形の土地でボールをゲートに通すゲームです。その広さはサッカー場の9倍の広さです。そこを、ポロ・ポニーが激しく駆け回ります。そして硬質強化プラスティックで造ったボールをマレットで打つ。優雅というより激しいスポーツです。
さて、サラブレッドが競馬用につくられたように、ポロ・ポニーもポロ競技のために作られた改良種です。
多くのポロ・ポニーはアルゼンチンで改良され産まれています。アルゼンチンは馬生産大国の一つで、多くのサラブレッド名馬の産出国でもあります。
このアルゼンチンでポロ・ポニーの多くはつくられました。どうしてでしょう?
(アルゼンチンのクリオージョ種の馬)
実はアルゼンチンには、もともと従順でタフな「クリオージョ」という種類の馬がいます。ガウチョ(牧童)が牛や羊を飼うために使っている馬です。少し小型で丈夫。持久力の点でどの品種にもひけをとりません。厳しい天候、不十分な食糧、そして最低限の水分補給でも耐える力を持つ。そして人に素直なところも持ち味です。
(走ることに特化した「純血」という意味のサラッブレッド)
一般にサラブレッドを見て「美しい」「目がカワイイ」と思われる方も多いのですが、馬としては、神経過敏な種類です。例えば一般の方では去勢していないサラブレッドの牡馬(ぼば)は怖くて乗れません。英語で「スタリオン」と言いますが、威勢のいい名前のとおりです。
さて、ポロ・ポニーはサラブレッドのスピードとクリオージョのタフさ。これに加え少し小型の俊敏性を持った、良いとこ取りの「傑作馬」なのです。いわばハイブリッド種のマスター・ピース(傑作)なのです。(現在はいろいろな種があります)
(激走するポロ・ポニー)
ポロの試合には、一般に一人で4頭の馬が必要です。長丁場のゲームで休ませなければなりません。競走馬の速さを競うでは済まないのです。
急に走り、急に方向を変え、急に止まる。コース取りのため馬同士の体で押しだす「ライド・オフ」など激しい並走にも怯まない。そういう馬と人間と一体のスポーツです。
(コース取りのため体で押し合う激しい戦い)
ポロ・ポニー自身にも強いメンタリティと賢さが要求されます。
私達がPOLO BCSで「伝統」「気品」「挑戦」「厳しさ」「優雅さ」を商品企画の主題にしているのも、これらのスピリットを活かし、その気持ちをまとっていただきたいからです。
ポロ・ポニーに改めて、注目してみてください。