物のサービス化について考える

物のサービス化について考える

便利な改札。しかし右利き用に設計されています。

毎日、通勤でつかう駅の改札口。
よく見ると、右利き用に考えてあります。カードを読み取るとき、右手で右の電子読み取り装置に機能するように向けてあります。

洒落たスマートウオッチを左手につけて、体をひねって改札を通る方もいます。朝から凄くストレッチしています。(このために、スマートウオッチを右手につける人も見かけますが。)


タッチ面が斜めになっている新型改札機。

だけれど仕方がありません。多くの人対応の機械は右利き用に作られています。多くのベンディングマシンも右利き重視です。


もしもの時にも繋がる公衆電話。左手に受話器。操作は右手での設計。

日本の和包丁(刺身包丁)も右利き中心の片刃です。(西洋包丁は一般に両刃)
いちばん困るのは裁ち鋏。多くは右利き用に作られていますから、左利きの人は使いづらい。左利き用もありますが、これは右利きの人は使いづらい。


生地を切る裁ち鋏。多くは右利き用に設計されています。

いろいろ問題がありますが、さて、日本人は右利き、左利きはどういう割合でしょうか。昔、「お茶碗は左手で持つ。お箸は右手で。」と教えられましたが、TVなどの食事場面を見ていると、左手でお箸を持つ人がかなりいます。


ご飯とみそ汁。ご飯は左、吸い物は右。お箸は右利き向けに並べます。

統計では日本人の左利きはおよそ11%いるようです。アメリカはナイフとフォークを使うので両利きの人がおよそ3割弱いるようです。

左利きでもあまり困りません。しかし、音楽のクラシック。オーケストラ・ストリングスでは、弓が当たるので、弦楽器では左利きは見られません。


多くの腕時計は右利き志向、左手首につけるように設計されています。

少し話題は変わりますが、いま「プロビス」が見直されています。プロビスとはプロダクトとサービス。プロダクトにサービスの概念が内在される事です。

駅やイベント会場のトイレの大きさ。「待ち行列理論」では、男子トイレに比べて女子トイレは1.7倍が標準であるべきです。それなのに計算もしていない。
(あるいは、しているかも知れませんが。大きさに差をつけるのに苦慮しているのでしょう)

これからは「サービスの時代」なのです。物販の付加価値と回転率を上げるのは大変です。しかしサービスの付加価値を高める事は意外と容易です。

アメリカの話ですが、こんな事がありました。子供が絵を描くクレヨンの話です。
お母さんの絵ですが描けません。なぜ?子供用の色数の少ないクレヨンには自分の親の肌色がありません。

これを解決しようとしたのが米国のクレヨラ社です。1992年に多文化をテーマにした8色の肌色クレヨンを出しました。「マルチカルチャル・カラーズ・シリーズ」です。「みんな違っていいのだ!」と現在は24色の肌色を出しています。

ラテンや黒人や混血の子供達は嬉々としてお母さんお父さん、そして家族の絵を描きました。

多様な肌色に合わせたバンドエイド

プロビスは送り手目線でなく受け手目線です。
米国では、バンドエイドも色々な肌色が準備されています。

モノが売れないのではなく、生活者の視点で買うものが無いのです。

もう「大量に作って大量にさばけ」の時代ではありません。プロビスの時代です。
プロビス。プロダクトの中にサービスを宿すとは「『物欲』から『意欲』へ」の時代を意味します。

ホテルのレストランでの経験です。テーブルに招かれると、ナプキンが襟元のように畳まれていました。そこに、パスタが蝶ネクタイのように置かれていました。


ナプキンがお洒落な服のように畳まれたサービスの極意

一緒に、座った女性たちの顔が輝きました。「わ!かわいいい!」
そうです。これこそが、プロビスの発想。モノやコトにサービスの心を加える。

プロビスの時代です。まだまだ時代は進化します。

POLO BCSは伝統を掘り下げながら、新しい時代の気持を加味していきます。そして、もっと人々が幸福感を感じ、笑顔になる企業活動を続けていきます。