蹄音が響く、伝統の午後。|速報POLOBCS杯2025 開催レポート(1)

—英国の夏、格式ある競技の舞台へ-
2025年6月8日、晴天に恵まれた英国ロンドン・リッチモンドの「HAM POLO CLUB」にて、POLO BCS主催の日英親善フレンドリー杯を開催しました。
大会当日、クラブハウス前には多くのゲストたちが集います。
日本国大使館特命全権公使と大使館関係者、JETROをはじめとするロンドン在住の日本企業の方々などをお迎えし、和やかな雰囲気の中で静かに大会の幕は上がりました。
格式ある空間の中で、ポロという競技が持つ美意識と文化性をあらためて実感するひとときの始まりです。
選手たちが身にまとったのは、POLO BCSが本大会のために製作したオリジナルデザインのチームウェア。
気品あるブルーと、重厚感を湛えたえんじ色の2色展開が、グリーンの芝と対照的に映え、試合前から会場には高揚感が漂います。
今回のPOLO BCS杯では、ポロ競技を初めて観戦されるゲストも多く、その奥深い世界観に触れる貴重な機会となりました。
—POLO-馬と人が描く、静と動のスポーツ
午後、フィールド中央にボールが投げ込まれると、一斉に馬たちが駆け出し、芝の上に蹄音が鳴り響きました。いよいよ、POLO BCS杯の第一チャッカがスタートです。
ポロは、4名1チームで行われる騎馬競技で、選手たちは「マレット」と呼ばれる長いスティックを使って、ボールを相手ゴールへと打ち込みます。
通常一試合は4〜6つの「チャッカ(ピリオド)」で構成されます。(今大会は4チャッカ)
馬の安全/パフォーマンス管理を最も優先するので基本的には1チャッカ毎に馬を交代させますが、馬の疲労が早い時はチャッカ中の交代も可能です。
ポロは馬と選手が一体となり、スピード・戦略・優雅さが同居する、まさに“キング・オブ・スポーツ”です。
初めてポロを見たPOLO BCSメンバーたちは、HAM POLO CLUBの整えられた芝に映える馬たちの美しさ、馬同士が目の前で競り合うダイナミックな迫力、そして力強さの中に秘められた優雅さにポロならではの魅力を感じ取っていました。
—試合とともに深まる交流と敬意
ゲームは終始、緊張感に満ちつつも、どこか優雅なリズムを刻んで進行しました。選手たちのマレットさばき、ポニーの俊敏なターン、そして鋭い判断力が次々と場面を彩り、芝に響く蹄音と歓声が、HAM POLO CLUBの午後を満たしていきます。
途中、芝の手入れや馬の休憩を挟みながら行われるインターバルでは、観客同士やスタッフ間での静かな会話と挨拶が交わされます。
この競技がいかに「社交と敬意」に支えられているかを実感させられます。
—伝統を重ね、未来へとつなぐ
試合終了後、表彰式がクラブハウス前で行われ、勝利チームにはPOLO BCSから記念のトロフィーとギフトが贈られました。
「POLO BCS」が寄贈したトロフィーは、柘植の木で製作された日本の名工の手による一刀彫の作品。ものすごく力強く優美で繊細です
POLOブランドのブリティッシュ・カントリー・スピリットにも通じており、欧米人の方にも技の深さが理解できて評判です。
POLO BCSが目指すのは、ポロ競技を通して表現される“ライフスタイルとしての美意識”
それは単なるスポーツや装いではなく、振る舞いや空間、関係性にまで宿る「伝統の継承と創造」にほかなりません。
今年のPOLO BCS杯もまた、そうした思いを確かに感じる、かけがえのない一日となりました。
POLO BCS杯は、来年もこの時期に開催を予定しています。
ロンドンの初夏とともに訪れる優雅で特別なひとときを、ぜひ一緒に楽しみましょう。