東京大学地震研究所の方が来られました!

皆さま、こんにちは。こんばんは。
ある日、おおかみ舎に1本の電話が。
東京大学地震研究所の博士課程で日々地震の研究をされている方からのご連絡でした。
お話を伺うと「紀伊半島で地震活動の観測をおこなうため、観測地点として場所を提供してほしい」とのこと。
数日後、院生さんや教授が来られ、観測器材をポロの森に設置されました。
この器材を地中に埋めて、地中の電波や磁気を測定するそうです。
地震といえば、
① プレートの境界で起こる地震(例:東日本大震災)
② 断層のずれによって起こる直下型地震(例:阪神淡路大震災)
を思い浮かべます。
しかし近年の研究では、「地下深部の流体」も地震発生に関与しているのでは?と注目されているそうです。
今回の観測も、その関連を解き明かすための研究なのだとか。
「地下深部の流体…?」
「流体って何だろう…」
聞き慣れない言葉なので、私なりに調べてみました。
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深部流体(しんぶりゅうたい)とは?
地下300m以深に存在する雨水由来ではない地下水のこと。反応性に富むとされており、深部地下水環境に大きな影響を与えるほか温泉として用いられている事も多い。
海洋プレートは海水を巻き込みながら沈み込んでいくが、この際に高温高圧下の環境になる事で一部の水が脱水分解反応により、プレートから脱水する。脱水した水はマントル内を化学変化しながら地表近くまで上昇していき断層沿いに湧出する。
この水には塩分濃度や高温熱水に見られるLi濃度が高く、岩石からの成分を取り込むため、Fe等の金属イオンを多く含む事が多い。
(引用:Wikipedia)
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有馬温泉や十津川温泉など、火山が近くにないのに湧き出る温泉は、この「深部流体」の仕組みによるものだそうです。
そして、この流体が断層の隙間に入り込むと断層が動きやすくなり、地震を誘発することがあると考えられています。
記憶に新しい能登半島地震も、深部流体による直下型地震と考えられており、研究や調査が進められています。
さらに東京大学地震研究所のHPにはこんな研究概要もありました。
【共同プレスリリース】プレートから上昇する水が巨大地震の破壊拡大を止め、直下型地震を引き起こす?-東日本太平洋側の地震帯の発見が示す地震のメカニズム- – 東京大学地震研究所リンク
深部流体は、プレート境界型地震(例:東日本大震災)のような大規模災害を抑制する一方で、直下型地震を活性化させる可能性があることが明らかになったそうです。
「プレート境界型」と「深部流体による直下型」
どちらにせよ地震は起こりますが、プレート境界型のほうが広範囲かつ大規模な被害につながります。
そう考えると、深部流体がプレート境界型地震を抑制する仕組みは何となく良いような…でも能登半島地震の被害の大きさを思うと一概には言えませんね。
いずれにしても、どんなメカニズムで地震が起こるのかを解き明かし、将来の予測や防災につなげようと研究を続ける研究者の皆さんには、心から尊敬します。