トラディショナルの出会いと萌芽
物や事の文化観の継続

トラディショナルの出会いと萌芽<br>物や事の文化観の継続

長嶋茂雄さんのルーキー時代のグローブ

人は5歳から10歳ぐらいの間に「最高の風景を見るべき」と言われています。
それは、そのあとの個人の人生に大きく関係するからです。

心の成長も、モノに対する感情も、その時分の影響が深く関係しています。
その時代に関係したもの、出会った情報が人間の成長に大きく作用するからです。

私にとっては、巨人軍の長嶋選手でした。フレッシュで羨望のルーキーでした。
「あんな大人になりたい」当時の少年たちの憧れでした。

表題の写真は、長嶋さんがルーキー時代に使ったグローブです。
「サード長嶋」のアナウンスに少年たちの心は希望に充ち溢れました。

ある大手化粧品会社の会長、チャールズ・レブソン氏が語った有名な言葉があります。
「私の工場では口紅を作っている。しかし店頭では夢を売っています。」
どうでしょう。納得のいく言葉です。
私たちは、物や事を通して喜びを生み出さなければならないのです。


ションヘルの機織り機。昔からのシャトルが左右に移動し、人間味のある豊かな風合いの生地が生まれます。(一宮の葛利毛織工業の写真)

トラディショナルといわれるファッションがあります。直訳すれば「伝統的」です。
長い歴史の中で培われてきた生活様式。ファッションにも生活デザインとして生まれてきたスタイルがあります。それが「安心」となり、さらに引き継がれ伝統となります。

我が国の小学生のランドセル、英国で言えばサッチェルバッグ。時代の中で完成度を高めながら生き続けています。変わりようのない完成系を感じるものです。


写真は、ハリスツイードの織りネームの写真

ハリスツイードはスコットランドのハリスツイード協会によって決められます。いわば基準をクリアしたもので、認定された物にのみハリスツイードを名乗ることができます。
冬場に再発見したい価値のあるトラディショナル素材と言えます。もちろん価値は不滅です。


写真は、昔からの鉛筆。今は絵画を描く人の必需品です。

鉛筆と筆箱。小学生、あるいは中学で必需品の学習道具です。
ナイフを使い丁寧に削る。性格も見えてきます。昔は「HB」が基準でしたが
近頃は2Bが基準になっているようです。(少しやわらかめで書くのが最近の傾向)
黒鉛筆は六角軸、赤は丸軸、たまに頭に消しゴム付き。
いろいろあります。現在も世界のブランドは開発に熾烈を極めています。

ところで鉛筆の長さ。世界標準は7インチです。どこも基本は同じ。
トラディショナルな約束を感じます。


写真は 洗いざらしのヘビーデューティ・ポロシャツ

ほぼ10年以上、着用しているヘビーデューティ感覚のポロシャツ。
肩が補強され、前立てはヘリンボーンテープで補強。
脇のガセットも補強。ガセットにはアイレット(通気孔)があったりで、なるほどという感じです。

先日、刺し子でブレザーを作っている会社の方と出会いました。
もちろん金額は数十万円。
「古くなったり、ほころびたらどうしますか」の私の質問。
「修理して差し上げます」「つぎの代の方へお譲りできます」

これぞトラッド。
ミッフィーが最初に出会う子供の絵本として有名です。
私たちPOLO BCS は最初から、そして、
いつまでも出会ってほしいブランドとして、
これからも、時代を超えた価値を磨き続けていきたいと思っています。