英国の森林事情

英国の森林事情

英国の郊外や地方を旅すると、穏やかな牧草地。長く続くフットパス(トレッキング用の歩道)などに出あいます。おだやかな丘陵で羊や牛が草を食む風景。限りなく続く青い空と白い雲。風景画や詩の一片を切取った表情を見せます。

川べりにたたずむマナーハウス(中世の荘園領主の邸宅を改装した宿泊施設)なども見ます。どれも時の豊かさを感じさせ、落ち着きと、美しく手入れされた庭園が人々を癒します。

美しい丘陵地。人々をいざなう穏やかな川面。心を包む英国のカントリーサイド風景などなど。

それでは「英国の森」はどこへ行ったのでしょうか。

英国にも森はあります。北部の岩盤地層には高木が育ちませんが、中央部、南部には、もともと森は多かったのです。
例えばロビン・フッドで有名なシャーウッドの森。ノッティンガムの北30キロのある王室林です。しかし大半は伐採されました。(今は保護林になっています)


(Sherwood Forest, Nottinghamshire, England)

実は英国は16世紀から17世紀、欧州諸国に木材を輸出していた緑豊かな森の国だったのです。それが産業革命時の伐採、乱開発、石炭掘削、鉄鋼業生産などの影響で多くの森林が消えていったのです。

日本の森林率はおよそ67%ですが、日本の国土の約2/3の広さがある英国は現在、国土の13%。319万ヘクタールです。自然林(天然林)は2%しかありません。(700ある自然林はいま危機に瀕しています)

だから今、英国は国をあげて森林を守っています。森林面積はこの半世紀でおよそ2倍まで増えました。新しく英国国王になったチャールズ国王は、1960年代後半から自然保護活動を始めた環境問題のエキスパートです。


(バンクス半島、ニュージーランド)

実は地球の南半球にある、ニュージーランドも鬱蒼(うっそう)とした森の国でした。それを徹底して伐採し、今は羊の牧草地の国になっています。有名な「輸出材」だった「カウリ」の木は輸出禁止になっています。

チャールズ国王が君主として率いる英連邦は、効率的に連携して気候問題や生物多様性の問題に積極的に関与しています。
いま地球温暖化の話も急務ですが、それ以上に今、英国は暮らしと緑を大事にしています。そこに生まれたのが「ウッド・ランド・トラスト活動」です。その柱は緑を「保護する。復活させる。生み出す」の三つの柱です。

日本でもウッドチェンジ!と林野庁が「木づかい運動」を広めています。山が多いから安心ではなく、とにかく「山に森林に木材」に心を寄せる。

生物の軸は炭素で出来ています。人間も軸は炭素なのです。森は炭素を保持し、酸素を生み出す。水もため、あらゆる生物の命を支えています。木材は伐っても炭素を閉じ込めています。

森のありがたさに心を寄せたいですね。未来に続く暮らしのために。今はそういう時代です。
最後に、私たちPOLO BCSにも森林部があり、長年に渡り森を育て活用しています。

 是非こちらもご覧ください:POLOの森とSDG’s
  https://www.polo.co.jp/pages/sdgs