英国でナローボートの旅を楽しむ
ナローボートの旅と聞いても、なかなかピンとこないかもしれません。
英国の観光地巡りでも街なかにナローボートはありません。しかし地図をよく見ると、英国には無数の運河があります。英国でクルーズ可能な水路は4800キロメートル。このうち、およそ3500キロメートルが「カナル」。つまり運河です。実に英国には、航行可能な運河網が張り巡らされているのです。
このナローボートは、およそ200年前の産業革命の頃、バーミンガムを中心に、資材を運ぶために、運河が掘られ運航が始まりました。
この伝統的な船舶が今日に伝わっているのです。最初は船を脇道から馬で引いていました。時代が変わって今はエンジン付き。旅に、貸別荘に、プチホテルとしてまで、楽しまれています。英国では水上の住まいとして使っている人もいるようです。気ままに、好きな景色の停泊地に立ち寄る。新しいスローライフが満喫できます。
ナローボートには、サイズの決まりがあります。とても狭い人工の運河を通行するので、大きさに制限があります。幅は7フィート以下。長さ56フィート以下です。これならどこでも運航できます。船が交差し、またはトンネルや水位を調節するロック(閘門)を通過するためです。
運河の水位が異なる場所は多くあります。珍しいのは水路が道路を跨いだりもします。鉄道の上にある水路橋などもあります。そこをナローボートが渡るのです。
このナローボートを積極的に守ろうとする組織もあります。ロンドンとバーミンガムの中間に位置するブローンストン・マリーナです。隙間なくナローボートが浮かぶナローボートのメッカです。ここに自分のナローボートを係留したいと、ここを聖地と考える人も多いようです。
急ぎ過ぎる現代。ナローボートのスローな時間を過ごしてみるのも一興です。
とてもスローで、しかもFEEL SO GOOD。
時間の豊かさを感じます。