変化が加速する時代だから、穏やかにQOLを再考したい
QOLはクオリティ・オブ・ライフの略です。言ってみれば生活の質。
だれでも生活の質は向上させたい。それが人情というものでしょう。
しかし、いたずらに生活の質を向上させることは、本当に「向上」になるのでしょうか? と思うことがあります。
個人目線の「部分最適」ではなく、社会の未来に対して「全体最適」の目線をもちたいと思っています。LESS IS MOREの意識です。
DO MORE WITH LESSと言いかえても良いかも知れません。これって、新しいQOLだと思います。
大量生産、大量廃棄の行く末の現状。行きつく先はゴミの山
大量生産と大量消費。そして大量残品と大量廃棄。こうした世界から脱却する時代だと感じています。高価だから良いわけではない。しかし、安いから良いわけでもない。「安い物を使い捨て」。この生活って少し変だと思います。
暮らしを豊かにダウンサイジングする。加速する情報化時代だからこそ、QOLの目線でスローライフを再評価してみる。
一服の涼感で熱さを忘れる吊りしのぶ
夏の簾、爽やかな涼感を感じさせる吊りしのぶ。音で涼しさの風を感じる風鈴。そして鈴虫の音。これに反応するのは、豊かな日本人の感性かも知れません。
何もスケジュールが書いていない手帳。 全部、自分の時間です
手帳のスケジュール表に何も書いてない。これこそ豊かだという考えもあります。全部、自分の時間です。
スロー・フード運動は1980年代、イタリアで始まりました。(Slow Food Editore S.R.L.)
スロー・フード運動も、QOLの視点で忘れられません。イタリアで始まった運動です。フードロスをなくす。生態系を食の視点で守る。すべてを大切にするという流れです。
SDGsでも12番目の目標に「つくる責任、つかう責任」があります。再考してみたい概念です。
いま大切な「つくる責任、つかう責任」の印。SDGs12番目の目標
日本の漆器の黒の美しさ。これに影響されて世界のピアノが黒になったと言う話を聞きます。
"Photo: © Copyright Steinway & Sons", CC 表示-継承 3.0, リンクによる
パリ万博で日本の漆の「黒の美しさ」がヒントになったと言われる世界のピアノ
伝統の漆器。美しい蒔絵は、蛍光灯の明かりでは本当の美しさを感じません。願うなら、穏やかな光の中で鑑賞したい。そこにこそ蒔絵の美学があると思っています。ロングライフ・グッズ。これもQOLの発想だと思います。
欧米で、「ジャパン」と呼ばれる漆の黒が美しい蒔絵の漆器
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」があります。障子をとおして感じるひかり。日本の穏やかな文化。そして、良いものを長く使おうとする英国の生活文化。新しいクオリティ・オブ・ライフを探ってみたいと思います。
穏やかに光を通す障子。これぞ「陰影礼賛」
トラディショナルの流れには、それが溢れていると思っています。いつまでも飽きないQOL。長い付き合いができる定番品。それもQOLだと思っています。
永遠の定番。スイングトップ
J.D. Leipold -, パブリック・ドメイン, リンクによる
永遠の若さのトラディショナル。伝統的で新鮮なタータン・キルト
男女を問わない日常の上質。オックスフォード地のボタンダウン・シャツ
ちかごろ大人の人もカジュアルな装いに、白いスニーカーを履いているシーンをたびたび目にします。お洒落な着こなしに合わせています。よそ行きと自分時間の中間。こんなところにも新しいQOLを感じます。
白いスニーカーは現代の必需品目になり始めています
身の丈にあう。満足感に溢れたQOL。私達POLO BCS は、サスティナブルな視点で、QOLマーチャンダイジングを追求したいと思っています。