英国ウイスキーのトラディショナリズムに脱帽

英国ウイスキーのトラディショナリズムに脱帽

琥珀色の歴史を感じさせる飲み物、ウイスキー。その奥深さは多くのアルコール飲料と少しちがいます。ブレンダーの力量とディスティラリー(蒸留所)の努力の賜物と感じます。永い史実もありますが、今日のウイスキー蒸留所が作られたのは1824年、スコットランドの「グレンリベット蒸留所」が初めてと聞いています。

実はウイスキーは「原料と蒸留所とブレンド」によって区分されています。バーボン・ウイスキーはコーンが主原料です。ここでは、いわゆるスコッチウイスキーの話を記します。

ウイスキーは熟成とブレンドが勝負です。大麦麦芽だけでつくられたウイスキーをモルト・ウイスキーと言います。モルトとは大麦麦芽の事です。そして一つの樽でできたウイスキーは「シングル・カスク」と言います。

カスクとは樽を意味します。一般にはオークの樽です。日本ではミズナラを使う事もあるようです。長年(最低3年)寝かすことで個性的な風味に育ちます。フルーティやスモ―キーなど多彩です。シングル・カスクは一つの樽だけ。その大きさだからボトル本数は、あまりとれません。ブレンドしない個性の塊です。

そして「シングル・モルト」というウイスキーがあります。これは一つのモルト蒸留所でつくられたウイスキーをブレンドしています。シングルとは蒸留所が同じという意味です。複数の異なるモルト・ウイスキー蒸留所の物をブレンドしたものを「ブレンデッド・モルト」と言います。

ウイスキーが一般化したのはグレーンウイスキーのおかげでもあります。グレーンウイスキーはライ麦、小麦、一部にコーンなどの穀類(グレーン)をつかってつくったウイスキーです。モルト蒸留所のウイスキーとグレーン蒸留所のウイスキーをブレンドして作ったウイスキーはブレンデッド・ウイスキーとなります。そして同じグレーン蒸留所のウイスキーをブレンドして作ったウイスキーをシングル・グレーンといいます。

何故こんなにブレンドが複雑なのかと言えば、ブランドの味と風味を徹底的に守ろうとするからです。ブレンデッド・ウイスキーが生まれてからウイスキーは多くの人々に支持され、非常に飲みやすくなりました。日本のウイスキーの始まりは鳥井信治郎さんと竹鶴政孝さんによります。TVドラマでも有名でした。

オールドエッセンスの中にも光った個性を守り穏やかに主張する。
ウイスキーのトラディショナリズムに脱帽です。
今宵はGOOD NIGHTですね。